横浜の税理士 鈴木税理士事務所

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税務調査について
税務調査は企業の経営者にとって決して避ける事の出来ないものであり
中小企業は、通常数年に一度ごと税務調査を受けることになります。
税務署から税務調査の依頼の電話があると、
経営者は税務調査の対応について非常に不安になるものです。
そこで、税務調査の概要について記載しました。
会社経営者は、 税務調査について様々なご疑問や不安があると思います。
そこで、税務調査について社長が疑問に思っている事をお答えする形で、税務調査の心構えや対策について、コラム形式でお答えします。
1、なぜ税務調査に入ったか? その1
2、なぜ税務調査に入ったか? その2
3、税務署の調査官が税務調査の前に調べていることは・・・・
4、税務調査が怖いのですが・・・
5、税務調査って何ですか?
6、税務調査では全てを調査できる分けでは無い!
7、税務調査で言ってはならないこと
8、税務調査においては感情論で話をしない
9、税務調査の前にやるべきこと
10、税務調査はどれくらいの頻度で来ますか?
11、税務調査は何年分?
12、税務調査は税理士抜きで会わない
13、税務調査は断れませんか?
14、税務調査を受ける場合の注意点
15、調査官が税務調査で見ているもの その1
16、調査官が税務調査で見ているもの その2 
17、税務調査で必ずチェックされる「期ズレ」
18、法人税の調査事績分析
19、税務調査の裏ワザ
経営者の不安解消をすることが我々税理士の仕事です
税理士 会社設立
1、なぜ税務調査に入ったか?その1

税務調査に入られやすい会社には、入られやすくなる理由や、ある程度パターンがあるのですが、実は税務調査自体の目的ではないのに、税務調査に入れることがあります。わかりにくいポイントなので、しっかり説明したいと思います。

税務署は常日頃から、脱税者(社)を捕まえるために、あらゆる面から情報収集を行っています。例えば、税務調査を行うと、その取引先や取引金額を情報として残しています。また、税務調査に入らなくても、雑誌・チラシの広告から情報収集したり、街を歩いていた際に見かけた駐車場の台数から、持ち主が確定申告を適正にしているのかまでチェックしているのです。
つまり、税務署にとっては、常日頃から収集している情報が大事であり、その情報を取るためならかなりの努力をするというわけです。

そこで行われるのが、「情報収集のための税務調査」です。ある会社に税務調査に行くのですが、その会社が適正な申告・納税をしているのかをほとんどチェックもせずに、その取引先や顧客データを収集しているのです。
経営者からすると、本当に迷惑な税務調査なのですが、実際にはこのような税務調査もあるのです。
具体的には、

・保険の代理店のところに税務調査に入って、顧客リストを情報収集
 → 節税目的や資産家を洗い出しています
・証券会社やFX会社
→ 副収入を得ているのに確定申告していない人を洗い出しています
・不動産仲介会社
→ 不動産を売却・購入したのに確定申告していない人を洗い出しています

 これらは例示であって、他にも情報収集のための税務調査は行われているのです。もちろん税務署は、「情報収集のための税務調査なので、御社には関係ないですよ」とは言ってくれませんので、税務調査が始まってみないと、「これはまさか情報収集のためだけなの?」ということはわかりません。
 時間が取られて迷惑な反面、自社に追徴税額がなどがあまり発生しない分、少し喜んでもいい種類の税務調査なのかもしれません。


 2、なぜ税務調査に入ったか?その2

 税務調査に入られる理由はいくつかあるのですが、前のトピックで書いた以外にも、「広域調査」と呼ばれるものがあります。
 広域調査とは、いくつかの税務署の管轄にまたがって、同時に行われる税務調査のことです。具体的には、親・子会社や関連会社がいくつかあり、その登記場所がバラバラの場合に、それらの会社に一斉に税務署(調査官)が入り、税務調査を実施するケースです。

 もちろん、関連会社がいくつかあるからといって、絶対に広域調査が行われるというものではありません。しかし、広域調査が行われる場合は、そのほとんどが無予告調査(事前に通知のない税務調査)になります。というのも、事前に連絡をすると、関連会社同士で数字を合わせたり、税務署には見せられない資料を破棄したりする可能性が高くなるからなのです。
 広域調査はかなりやっかいで、複数会社、しかも実質的には同じ経営者である法人に、同時に税務調査をされるわけですから、対応するだけで大変なことになります。

 また、似たような税務調査の種類に「同時調査」があります。同時調査とは、2つ以上の税目の税務調査を同時並行して行われる調査のことを指します。
 税務署は、法人税=法人課税部門、所得税=個人課税部門、相続税=資産課税部門など、税目(税金の種類)ごとに部署が分かれていて、通常は1つの部署だけで税務調査を行うものなのですが、何か理由がある際には、部署が合同で税務調査を実施することもあります。これを同時調査と呼ぶわけです。
 また、会社に対する税務調査であっても、法人税のみならず、消費税や源泉所得税、印紙税なども同時に調査の対象となり、このような場合も同時調査と呼ばれることがありますが、これは一般的な税務調査だと思っていただいて結構です。

 法人税と所得税の部署が合同で行う税務調査の場合、過去に個人事業主であった方が、法人を設立(いわゆる法人成り)していたという経歴があり、法人税も所得税も同時に調査しなければならないケースが多いようです。
 また、経営者が亡くなられた場合に、相続税には会社の株式の評価などが絡む場合は、相続税の調査のみならず、法人税の調査も同時に行われる場合もあります。
 
 税務調査にもいろいろな種類のものがあり、一筋縄でいかないということだけでも知っていただければと思います。


 3、税務署の調査官が税務調査の前に調べていることは・・・・

 税務署で税務調査先に選んだからといって、調査官が何も準備せずに税務調査に臨むわけではありません。多くの会社がある中で、わざわざ税務調査先に選んだわけですから、税務調査で調べたい事項があるのです。
 税務調査の前にまず調査官がやっていることは、申告書など提出した資料を細かくチェックすることです。やはり、提出した書類・資料が大事だというわけです。

 これだけで調査官の事前準備は終わりません。税務調査の前に、内観調査と外観調査が行われるケースもあります。
 内観調査とは内偵調査とも呼ばれるもので、特に現金商売の事業者に行われます。飲食店であれば、調査官は事前にご飯を食べに来ていると考えた方がいいでしょう。
 内観調査では主に、客数や客単価、従業員数、出前があるかどうかの確認の他に、現金の動きをチェックされます。会計時に、レジを打っているのかどうか。レジを商品などを打たずに現金箱のように扱っている店舗も数多くありますが、これは要注意です。調査官からすると、「これでどうやって正しく売上を把握しているんだ?」と事前に疑われる可能性が大です。
また、調査官が内観調査で支払った現金が、税務調査のときにどこにあるのかを調べられることもあります。調査官は目印をつけておいた1万円札で支払いをし、税務調査のときにその1万円札を調べるのです。現金商売では、レジから売上のお金を抜く社長も多くいるので、そこまでチェックしているのです。店舗を経営している会社は、いつ調査官が内観調査に来ても疑われないように、普段から現金の取り扱いをきちんとしていることが重要です。

 また、外観調査が事前に行われている可能性もあります。外観調査とはその言葉通り、外から見られているのです。店舗を営んでいると、外から客数を数えていたりします。また、社長の自宅をチェックされることもあります。これは社長の生活状況をつかむことが目的ですが、会社の資産になっている車が自宅に置かれていないかどうかも見られているのです。

 最後に、最近では調査官が会社のホームページは当然ながら、社長の個人ブログをチェックしたり、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアも見られている可能性が高いです。税務調査の連絡が入ったときだけではなく、税務署に疑われるようなネット上の書きこみは控えるべきでしょう。


 4、税務調査が怖いのですが・・・

社長同士で飲みに行くと、たまに税務調査で「痛い目にあった」話で盛り上がるのでしょう。「真面目に会社をやっているだけなのに、多額の追徴を持って行かれた!」こんな経験談を聞くことが、税務調査のイメージが悪くなる理由の1つですね。痛い目にあったのは、その会社が税金を少なくするなどの悪いことをしていたり、税務調査での対応が悪かったりすることがほとんどです。正しい対応方法さえ知っておけば、ほとんどの税務調査で嫌な思いをすることはないのです。

 社長に「税務調査ってどんなもんだと思ってます?」と聞くと、古くは映画「マルサの女」のインパクトが強いのか、最近ではテレビ朝日で放送された米倉涼子主演のドラマ「ナサケの女」のイメージがあるのか、散々下調べをした挙句、突然やってきては、警察のガサ入れのようなことをされることを想像している方も多いようです。
 よくある大きな勘違いは、「税務調査=マルサ」ではありません。税務調査は「国税調査官」が行っているもので、「マルサ=国税査察官」が行っているものとはまったく違うのです。もちろん、調査官も査察官(マルサ)も国税庁の職員ですよ。しかし、やっていることはまったく違います。

 マルサ(査察官)が行うのは「強制調査」と呼ばれるものです。マルサは裁判所の令状を持ってきますので、会社にそのまま上がり込むは、書類などを押収されるは、それは大変なことになります。しかし、これは脱税をしている悪い会社の話です。普通は、マルサが入ったりはしません。
 会社が受ける普通の税務調査は、「任意調査」と呼ばれていて、当然裁判所の令状などありません。あくまでも税務署が「調査したいです」と言って、社長が「はい、いいですよ」と了解するから実施できるのが税務調査なのです。「ガサ入れ」のような行為はないので、心配することはありません。

 また税務調査が怖い理由に、調査官の怖いと思っている場合もあるようです。税務調査は、脱税など悪いことをした会社や社長を取り調べるために行われるものではなく、あくまでも税務署に提出された申告内容が正しいかどうかを確認するためのものですから、調査官を怖れる必要はありません。
 調査官の態度が大きかったり、言葉遣いが悪いような場合があるようですが、社会人としての対応として疑義を感じるのであれば、調査官本人に指摘して、是正を促しても構いません。悪いことをしていないのであれば、税務調査といえど、普通のビジネスシーンと同じようにふるまえばいいのです。


 5、税務調査って何ですか?

 「税務調査」とはよく聞く言葉ですが、税務調査をきちんと理解している経営者は、ほとんどいないのが実態です。なにせ、会社や社長にとって税務調査は、オリンピックよりも頻度が低いイベントなのですから、当然といえば当然でしょう。
 税務調査とは何かというと、税務署の国税調査官という公務員が会社に来て、帳簿類などを確認して、税金の計算に誤りがないかどうかを確認することです。
 もう少し詳細に説明すると、調査官が帳簿などを見てよくわからないことがあると質問してきますので、それに回答しなければなりません。

「この接待交際費って、誰と行ったんですか?」
「これは4月の売上になっていますが、3月の売上じゃないんですか?」
「奥さんが役員になってますが、奥さんは具体的にどんな仕事をしているのですか?」
「この取引に関する契約書を見せてください」

 あくまでも例示ですが、このような質問が典型的なものです。
 帳簿の内容を確認するだけなら税理士が回答できるのですが、社長や会社の人でないとわからないことも多いため、実際には調査官の質問には、社長に回答してもらうことになるのです。

 税務調査で大変なのは、時間的拘束かもしれません。短いときは1日で終わる税務調査もあるのですが、2日間程度行われるのが普通です。午前10時から始まり、正午あたりから昼休憩をはさんで、夕方3〜4時まで行われるのが一般的です。2日間というのも、あくまでも税務調査であまり問題が出なかったときであって、問題が出れば出るほど、その日数はどんどん伸びていくことになります。
 社長としては、税務調査の予定が入ってしまうと、税務調査に対応する間は、仕事の予定を入れることができなくなるため、ちょっと大変です。ただし税務調査といっても、ずっと質問されているわけではないので、電話に対応するなど、最低限の仕事はしていただいて構いません。

 なお税務調査は、10〜2週間前に税務署から連絡があって予定を調整して決めることが通常です。しかし、事前の連絡なく税務調査が行われる、つまりある日突然いきなり、調査官が会社にやってくることもあります。これは「無予告調査」と呼ばれるものです。


 6、税務調査では全てを調査できる分けでは無い!

税務調査の現場で調査官は何を見ているのでしょうか。「税務調査なんだから、調査官は当然、帳簿や領収書などを見てるんでしょ?」これは半分正解ですが、半分足りません。
 「税務調査は、調査であって監査ではない」ここが重要です。
 監査は、監査法人が上場企業などに実施しているものです。また、上場企業ではなくても、不正をチェックするなどのために監査役を置いている企業も数多くあります。監査とは、「あるものをチェックして、間違いを発見し正すこと」を指しています。
 例えば、本当は接待交際費に計上すべき経費を会議費に計上していたとします。社長からすればどっちでも同じようなものかもしれませんが、税金の計算上は違います。同じ経費でも、接待交際費であれば全額損金にすることはできないのです。つまり、会議費を接待交際費にするだけで税金が増えます。帳簿上会議費に計上されていたものが、本当は接待交際費だという誤りを見つけるのは、帳簿というあるものをチェックし、間違いを見つけるのですから、あくまでも監査の範疇です。
 一方、「調査」は違います。「ないものを見つけること」が調査なのです。
 例えば、現金で受け取った売上が計上されていない、取引先から受け取ったリベートが社長個人の口座に入金されている、架空の仕入が計上されている。このようなものは、当初から帳簿に計上されていないのですから、いくら帳簿をチェックしても誤りや抜け・漏れを発見することができません。
 税務調査とは、ただ帳簿をめくって誤りを見つけるだけではなく、それに加えて、帳簿にない本当の取引まで見つけようとする行為なのです。怖いですね・・・

 話を戻して、税務調査で調査官は何を見ているのでしょうか。帳簿や領収書など、事業の取引がわかる資料は当然ながら、調査官が注意していることは2つあります。
@社長の発言
調査官は社長の発言を誘ってきます。これは、社長の発言から、帳簿にはないお金の動きや、取引の事実を発見するためです。そのためにも、調査官に対する発言は注意すべきです。
A会社に置いている物・置いていない物
 年末に取引先から送られてくるカレンダーを使っている会社も多いはずです。そのカレンダーには取引先名が入っているのですが、その社名が帳簿に載っていなかったらどうでしょうか、怪しいですよね。会社の資産になっている高級車。会社の駐車場になかったら、誰でもおかしいと思いますよね。つまり、調査官は会社に置いている物を見て、帳簿などにないのか、もしくは帳簿には載っているのだけれど、会社にはない物を見ているのです。
全部を調査できるわけじゃない!

 実は、調査官が「社長の発言」や「会社の物」を重要視する理由があります。それは、1回の税務調査ですべてをチェックするのは不可能だということです。

 税務調査というのは、変なお金の流れや取引が出てこない限り、2〜3日で終わります。あまり規模が大きくない会社であれば、1日で終わることも珍しくありません。
 これは当然で、1社1社税務調査で数週間も時間をかけていたら、他の会社の税務調査ができなくなるからです。調査官も御社の税務調査だけをしていればいいのではなく、ノルマを負っています。また、1人の調査官で1件の税務調査だけをしているのではなく、他の会社の税務調査も同時に進めているものです。

だからこそ、調査官側の事情からしても、「効率よく」税務調査を実施する必要があるというわけです。本来は調査官もすべての取引をチェックしたいのでしょうが、時間の関係もあって実際にはできない以上、調査官は帳簿にない取引を、発言や物で探そうとするのです。
 調査官によって税務調査の進め方は違いますが、帳簿をひたすらめくって、都度取引の内容を質問してくる調査官は、社長からすると嫌な感じがするとは思いますが、こんな調査官はデキない調査官なのです。デキる調査官は、「当たりをつける」ことが非常にうまいです。
全体を理解したうえで、細かいことをチェックせず、漏れや抜けがありそうなところばかりチェックしてくるのです。デキる調査官にかかると、会社が気付いていない従業員の不正まで発見されることもあり、驚くばかりです。

また、場合によっては「資料せん」を持ってくる調査官もいます。「資料せん」とは、税務署が内部で集めている資料で、取引先などから収集した取引金額などの情報が記載されたものです。調査官が「資料せん」を持っていると、チェックする取引を当初から的を絞ってくるので、対応は楽なのですが、誤りが見つけられることも多くあります。
 ただ調査官が「資料せん」を持っているかといって、絶対に不正が見つけられるかといえばそうではありません。「資料せん」自体が間違っていることもあります。調査官が自信満々に来たとしても、おびえる必要はありません。

 税務調査では、金額の大きい取引、主要な取引先との取引、現金が絡む取引に目を付けられやすいので、普段から税務調査の対象になりそうなポイントは、すぐにでも説明できるようにしておくことが、税務調査の正しい対応方法です。


 7、税務調査で言ってはならないこと

 税務調査を何度か受けると、不条理に感じることがあります。その典型例は、前回までの税務調査で否認指摘を受けなかったのに、今回の税務調査で否認指摘を受けることです。
 今までの税務調査では通ったのだから、今回も大丈夫だろうと思うわけですが、ここで言ってはならないことがあります。それは「以前の税務調査ではダメだと言われませんでしたよ!」という言葉です。

調査官:「これは認められませんね。」
社長:「何を言ってるんですか?以前の税務調査では何も言われませんでしたよ!」
調査官:「それは、以前の担当調査官が気付かなかっただけでしょう。」
社長:「それはおかしいでしょう。こちらも以前は何も言われなかったのですから、そのまま処理していて、何がおかしいんですか!」
調査官:「わかりました。本当は修正を3年で済ませようと思っていましたが、そうおっしゃるなら7年修正してもらいましょうか。」
社長:「・・・」

「火に油を注ぐ」とはまさにこのことで、以前の税務調査で指摘されなかったことを主張すれば、調査官としては最大年分まで遡って追徴税額を払わせよう、と思うわけです。本来は3年分誤りを修正すればよかったものを、余計なことを言ってしまったばかりに、7年分も修正しなければならないのであれば、藪蛇(やぶへび)です。

上記の調査官とのやり取りの中で、調査官が主張していることの方が正しいのです。つまり、以前の税務調査で何も言われなかったとしても、それが今後も大丈夫だということの保証ではない、ということです。これは法律的にも正しいといえます。税務調査は将来の正しさを保証する行為ではないのです。
税務調査というのは、日数も限られていますし、調査官によって見るポイントも違います。ですから、誤りがあっても気付かれないこともあります。これが現実です。だからこそ、その「非」を攻めてしまうと、調査官も「実際に間違っているんだから、じゃあいくらでも遡って追徴するぞ」となってしまうわけです。

 調査官も人間です。こちらが煽るようなことを言えば、感情的になるのも当然だといえるでしょう。「以前の税務調査ではダメだと言われませんでしたよ!」という言葉は、グッと飲みこむようにしましょう。


 8、税務調査においては感情論で話をしない

 税務署職員は公務員であって、給料は税金から払われているのですが、だからといって調査官を卑下する理由にはなりません。
 経営者の中には税務調査で、調査官に対して感情的に主張する方がいるのですが、これは税務調査の結果を良くすることにはなりません。

 こんな例えはいかがでしょうか。駅を歩いていたら肩がぶつかりました。相手方の対応は大きく2つに分けることができます。

@「すみません!」
A「おい、何ぶつかってんだよ!」

 本当はこっちが腹をたてていても、相手が@の対応だったら、こちらもつられて謝ってしまいます。「こちらこそすみませんでした」と。
 しかし一方で、Aだったらどうでしょうか。肩ぐらいぶつかるだろうと、本当は腹をたてていなくても、わざわざケンカを売ってくる相手には、こちらも腹がたって当然だと思います。

 税務調査もまったく同じだということです。調査官は確かに公務員ですが、人間なのです。感情論で言われたら調査官も感情的になっても仕方がないのです。
「お前らの仕事は貧乏人から税金を持っていくことか!」こんな勢いで調査官に言ったらどうなるでしょうか。調査官も感情的になればこう反論してくるはずです。

「間違っているものを指摘しているだけでしょう!」
「ちゃんと税金を払ってから言ってくださいよ!」
「本当はこの辺で税務調査を終わらせてもよかったのに、もっとイジワルしてやろうか!」

 調査官がこうなってしまえば、会社(経営者)として得することなどあるでしょうか。調査官をけしかけることにしかならないのです。
 では、税務調査をどう対応すればいいのでしょうか。これは、常に理論的に話すことです。
 法律だけが理論ではありません。業界の商習慣や、過去の経緯などは経営者の方しか知らない重要な情報であることが多いのですから、その点を主張することが重要なのです。
感情的になるくらいであれば、税務調査から席を外した方がいいでしょう。感情的になったらこちらが負けなのです。


9、税務調査の前にやるべきこと

 税務調査は通常、1〜2週間前に税務署から事前連絡があります。税務調査をいつにするのか、日程調整して決めるわけですが、この事前連絡から税務調査の当日までにすべきことがあります。
 まず、税務調査で誤りなどが見つかり、修正申告した場合を説明しておきましょう。
 当初の申告で100の税金を申告していた会社が、税務調査において正しい税金の額が150になったとします。この差額の50を「本税」と呼びます。
 しかし、税務調査で50を支払えば済むわけではありません。少ない税額で申告していたわけですから、遅れて納付したことに対する利息がつきます。これを「延滞税」と呼びます。延滞税は年率14.6%をベースにして計算されます。
 さらに、です。本税50に対して一定率の罰金が課されます。これを「加算税」と呼んでいます。加算税は、通常10%(過少申告加算税)なのですが、会社が不正行為などをして税金をごまかしていた場合には35%(重加算税)の罰金になります。
 これら「本税+延滞税+加算税」を合計した金額を追徴税額と呼んでおり、これを修正申告した日に納めなければならないのです。
 しかし、これには例外が1つだけあります。それは、「自分で誤りに気付いて、自分で修正申告したら、加算税が課されない」というものです。
 つまり、税務調査で指摘されたから罰金が課されるのであって、自ら誤りを認めたものには罰金を課す必要がない、という趣旨なのです。

 話を戻すと、事前連絡から税務調査の当日までにすべきことは、この例外を利用することです。つまり、税務調査の当日までに、税務申告書を見直して、誤りなどがないかどうかをチェックすることが重要なのです。
 この事前チェックで、もし誤りが見つかっても、税務調査の当日までに自ら修正申告をすれば、罰金である加算税がかからないのです。
 加算税が10%であれば、それほど痛みは感じないかもしれません。しかし、会社内で誰かが不正などをしていた場合、35%もの重加算税がかかってくるのです。さらにです。実は重加算税になる場合、延滞税も高くなるという規定があります。
 税務調査の前に税務申告書を見直しておいて、誤りがなければそれでいいわけです。しかし、誤りがあったとすると、事前チェックをしておくだけで、最低でも本税の10%、高ければ50%程度の余計な追徴税額を減らすことができるのです。
 この制度は知らない人が多いので、ぜひ活用していただきたいと思います。

10、税務調査はどれくらいの頻度で来ますか?

 他の会社の話などを聞くと、まったく税務調査に入られたことがない会社もあれば、3年ほどのペースで税務調査に入られている会社があります。
 実は、税務調査がどのくらいの頻度で来るのかは、会社によってまったく違うのです。
 そうはいっても、ある程度は税務調査の頻度にも基準があるので、概略ではありますが説明しておきましょう。

・売上が100億円以上あるような大きな会社:3〜4年に1度のペースで税務調査
・売上や利益が大幅に伸びている会社:4〜5年に1度のペースで税務調査
・売上はあまりなくてもパチンコ業や廃棄物処理業など、不正が多いと税務署に管理
されている業種の会社:4〜5年に1度のペースで税務調査
・過去に重加算税を課されたことのある会社:3〜4年に1度のペースで税務調査

 これらはあくまでも基準ですが、これらに該当しないのであれば、ある程度売上があっても、税務調査は6〜7年くらいに1回の割合になるでしょう。
かなり業歴が長い社長に聞いてみても、人生で多くて4〜5回くらい税務調査を受けたくらいが最大回数ではないでしょうか。

 またよく聞かれるもので、「優良申告法人であれば税務調査に入られない、もしくは税務調査があってもあっさり終わるのでは?」という質問があります。
 優良申告法人とは、税務署が5年に一度の税務調査で、適正な申告と納税がされ、かつ経営内容が優良で問題ないとして表敬する法人のことです。優良申告法人に認定されると、地元の税務署長が来社し、表彰状を渡されるとともに、写真撮影まで行われます。
確かに以前から税務署では、優良申告法人であれば税務調査をあまり行わない、もしくは税務調査に入っても、短い日程で終わるという慣習があります。
 しかし、最近では優良申告法人の制度も見直されています。というのも、過去に優良申告法人であるとされた会社が、そもそも税務調査に入られにくいというのはおかしい(つまり、その後に悪いことをする可能性は排除できない)こと、また優良申告法人はかなりの納税をしている会社なのですが、長引く不景気で、優良申告法人自体が極端に減っていることも事実です。
 法人会などによっては、「御社もぜひ優良申告法人で!」などと営業されると聞きますが、そのために多くの納税することは、あまりおすすめできることではありません。税務調査を嫌がる以前に、まず経営のことを本気で考えなければならないのが経営者ですから。


11、税務調査は何年分?

税務調査は何年分見られるのでしょうか?税務調査で何年分遡るのか、実はかなり曖昧な基準しかありません。
まず通常、法人と個人事業主ともに、3年分を遡って税務調査が行われます。ですから、税務調査の事前連絡が入り、帳簿や書類を準備しておくのは3年で問題ありません。
しかし、たまにイレギュラーな税務調査があります。それは5年分遡って税務調査を行うという調査官もいます。これは法律違反ではありませんから、「税務調査は通常3年だけですよね?」と言って断ることができません。ですから、「何も悪いことをしていなければ、最大でも5年分の税務調査が行われる」と覚えておけば十分です。

ここで問題になるのが、税務調査は最大7年間遡ることができます。簡単にいうと、「会社が悪いことをしていたら、7年分遡ることができる」というものです。法律ではこのように記載されています。

国税通則法第70条
5 偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、若しくはその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税についての更正決定等又は偽りその他不正の行為により当該課税期間において生じた純損失等の金額が過大にあるものとする納税申告書を提出していた場合における当該申告書に記載された当該純損失等の金額についての更正は、前各項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる更正決定等の区分に応じ、当該各号に定める期限又は日から7年を経過する日まですることができる。

 つまり、「偽りその他不正の行為」=「悪いことをして税金をごまかしていた」ら、税務調査は最大7年間遡れることが、法律上明記されているわけです。裏を返せば、税務調査で8年以上前に遡られることはあり得ないともいえます。
 では、「偽りその他不正の行為」とは具体的にどのような行為を指すのでしょうか。列挙していけばキリがないのですが、下記に例示だけしておきます。
(例)
・領収書や請求書等の改竄(かいざん)・捏造など
・わざと(故意に)売上や経費の時期をズラすこと
・架空の人件費など
 税務調査で7年遡られると、それだけで追徴税額が多額になってしまいます。間違っても「偽りその他不正の行為」は絶対にしないことが大事です。


12、税務調査は税理士抜きで会わない

 前回は、「税務調査の事前連絡は、先に会社にいきますよ。でもその場合は、税理士に全部任せてください。」ということを書きました。今回はそれと合わせて、税務調査途中の対応についての注意です。

 税務調査が始まった段階では、当然税理士が立会うわけですが、1〜2日で終わらない税務調査も多くあります。帳簿や請求書を見せても、その場ですべてが解決するわけではありませんから、調査官が税務署内で検討する場合や、こちらが資料を追加で提出しなければならない場合などは、「後日また会って検討しましょう」となるわけです。
 しかしここで、税理士抜きで経営者に会って事情を聞こうとする調査官もいるのです。税理士がいると、経営者は本当のことを言わないと思っているのでしょう。調査官は疑うことが仕事だとはいえ、タチが悪い行動でもあります。

「税理士先生はお忙しいようですから、社長と我々だけで協議しませんか?」
「近くまで寄ったのですが、今から時間とれますか?」
「税理士先生がいなければ本当のことを話してくれますよね?」

 調査官がなぜこのような行動をとるのかというと、税法(税金の仕組み)のことがあまりわからない経営者と話して、税務調査を税務署有利に進めたい、と考えているからなのです。
 このような調査官の誘いに乗ったばっかりに、不利な発言をしてしまうリスクばかりか、不利なことを書いた書面にサインをさせられてしまうケースもあります。このような書面にサインをしてしまえば、サインした書面を証拠に、悪いことをやったという意識がまったくなくても、いつの間にか多くの追徴税額を課されることもあるのです。

 このような状況に陥らないようにするには、税務調査の途中で調査官から直接連絡があっても、こう伝えることです。

『税金に関わる全てのことは顧問税理士に任せているので、そちらに連絡してください』

 これは税務調査の事前連絡があった場合とまったく同じ言葉です。何も難しいことはありません。
 税務調査では税理士がいない方がいい、と調査官が考えているということは、逆に考えると、税務調査では税理士がいるだけで有利、ということでもあるのです。何があっても税理士不在の状況を作らないでください。


13、税務調査は断れませんか?

 経営者にとって税務調査は嬉しいイベントではないですよね。だからちょっと考えてみると、「そもそも税務調査を断ることができるのではないか?」と思ってしまいます。
 さて結論から書くと、税務調査は断ることができません。残念かもしれませんがこれが事実です。断ることができるのであれば、誰でも断っているかもしれませんが・・・
 断ることができないのは、法律の解釈からになります。法律など面倒かもしれませんが、少しだけお付き合いください。

法人税法第153条(当該職員の質問検査権)
国税庁の当該職員又は法人の納税地の所轄税務署長しくは所轄国税局の当該職員は、法人税に関する調査について必要があるときは、法人に質問し、又はその帳簿書類その他の物件を検査することができる。

 実は法律上、「税務調査」という言葉はありません。この法律によって、税務署の調査官には「質問検査権」という職権があると認められています。これが一般的にいう(税務)調査なのです。
 さらに法律は続きます。

法人税法第162条(罰則) 
次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2.第153条又は第154条第1項若しくは第2項(当該職員の質問検査権)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ若しくは忌避した者
3.前号の検査に関し偽りの記載又は記録をした帳簿書類を提示した者

 つまり、調査官が質問したことに対して、何も答えなかったり、嘘を答えたような場合、また税務調査で偽物の帳簿なんかを提示した場合は、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」という罰則が定められているのです。
 ですから法律上、税務調査は断れないとなっていて、黙秘権もありません。

 ただし、税務調査は「今すぐ」受けなければならない、というものではありません。仕事で多忙な時期や、個人的な事情がある場合、時期はずらしてもらえますので、その際は率直に調査官に伝えましょう。


14、税務調査を受ける場合の注意点

話し過ぎには注意しましょう 余計な事は話さない・・・

 税務調査は通常、朝10時から始まります。
まず調査官は、世間話から切りだしてきます。
例えば「最近めっきり寒くなりましたね」「先日の地震の影響は大丈夫でしたか?」などなど。
 社長からすると、「前置きはどうでもいいから、早く税務調査を始めてくれよ!忙しいんだから」と思うでしょうが、調査官からすると、世間話も大事な税務調査のテクニックの1つなのです。
 
 税務調査を喜ぶ社長はいません。ですから特に税務調査初日は、社長が調査官を警戒しているのが当然です。調査官も警戒されたままでは、社長が質問に対してまともに答えてくれないことは分かっていますので、「世間話をして社長に心を開いてもらう」ことから始めるのが調査官のテクニックなのです。
 社長も話すことに慣れてくると、調査官はどんどん話し込んできます。

調査官:「社長はゴルフが好きなんですか?」
社長:「そうですね、まあたまに行きますかね。付き合いもありますし。」
調査官:「どれくらいのスコアでまわられるんですか?」
社長:「うーん、最近はダメでやっと100切れるくらいかな〜」
調査官:「月に何回くらいゴルフに行かれますか?」
社長:「月に2、3回かな」
調査官:「プライベートでは誰と行ったりするんですか?」
社長:「プライベートでは、仲の良い社長連中と行ってるよ」
調査官:「プライベートで行っているゴルフも会社の経費になってるんじゃないですか?」
社長:「・・・」

 これは非常に簡単な例ですが、社長が話し過ぎたことで、プライベートの経費を否認されてしまう典型例です。
 
 では、「調査官の質問に対して無視をすればいいのでは?」と思われるかもしれませんが、これはダメです。税務調査は「受忍義務」があるので、質問には答えなければなりません。しかし、話し過ぎもダメなのです。
 税務調査を受けるうえで大事なのは、「嘘は絶対に言うな。しかし、本当のことも言うな」これが鉄則なのです。


15、調査官が税務調査で見ているもの その1

 税務調査を何度も受けると、調査官はどのようなものを、どのような流れで見ていくのか、だいたいのところを把握することができるようになります。しかし実際のところ、そう何度も税務調査を受けたことがある経営者はいないもの。今回は税務調査で、調査官が見ているものを解説します。

 まず税務調査が始まると、「事業概況」のヒアリングから入る場合は多いです。つまり、会社を設立した経緯や現在の事業の内容等を、調査官が概略的に把握したいのです。ここは税理士ではなく経営者の出番なのですが、調査官はこの場面で経営者の人柄・性格を把握しようともしています。
 税務調査は確かに、会社の数字をチェックするのですが、あくまでも人対人の関係性の中で行われるものなのです。こちら側としても、調査官の人柄や性格によって対応が変わるのと同じように、調査官もこちらのことをチェックしているのです。

 さて次は、調査官が帳簿のチェックを始めます。調査官が持っている資料は、あくまでも税金の申告書だけ。どのような計算過程でその申告書ができたのかはわかっていません。これを帳簿から把握しようというわけです。
 帳簿は主に「元帳(もとちょう)」と呼ばれるものをチェックするのですが、このあたりは税理士が整理しているので大丈夫です。
 ここで普段から準備しておくべきことが2つあります。

@帳票類の整理
 調査官は帳簿を見ながら税務調査をしているのですが、ここで間違いなく提示を求められるのが帳票類です。帳票類とは原始資料とも呼ばれるもので、請求書や発注書、領収書や契約書のように、売上や経費を計上する基となった資料のことです。
 取引先からの請求書や発注書・見積書などはメール等の電子データの場合も多いですが、調査官に提示を求められたらすぐに提示できる状況にしておく必要があります。間違っても「探しましたがありません」では通りません。

A経理処理の流れ
 どういう流れで売上を計上しているのか、たとえば、取引先に見積もりを提示し、先方から受注した段階で請求書を発行してから売上計上など、経理処理の流れを明確に説明できる資料があればいいでしょう。


16、調査官が税務調査で見ているもの その2 

 前回から引続き、税務調査で調査官が見ているものを解説しながら、注意すべき点を挙げていきましょう。
 調査官が帳簿・帳票類のチェックをしながら、同時にチェックしていることがあります。

@経営者や従業員の発言
 数字をいくら眺めても、調査官は誤り発見することはできません。そこで、経営者や従業員にヒアリングしながら、端緒(誤りのきっかけ)を見つけようとするのです。調査官との会話も、余計なことを言うと痛い目にあうこともありますので注意が必要です。

A会社に余計なものを置かない
 調査官は会社に置いているものをチェックしています。具体的には、銀行からの贈答されたカレンダーがあって、その銀行と付き合いがなければ、「その銀行に隠し口座があるのでは?」と疑われるわけです。
 また、ゴルフバッグを社内置いている経営者の方もいますが、調査官からすれば格好のネタです。「社長、ゴルフ好きなんですか?」から始まり、プライベートのゴルフ代が経費になっていないかチェックされることになります。

B辻褄が合わないことはやらない
 法人で所有する車を、役員等がプライベートでも使用していると指摘されるケースが多くあります。実際には仕事での利用がほとんどで、たまにプライベート使用であれば問題ないのですが、実態が主にプライベートと認定されると経費になりません。
 ここでいくら「ほとんど仕事で使っています!」と主張しても、車が常に自宅の駐車場にとめられているとか、仕事で使う理由がない、となってくると厳しい状況に陥るわけです。
 誰が考えても辻褄が合わないようなことは、税務調査で指摘されるものと考えておいた方がいいでしょう。

C個人と法人を明確に区分しているか
 接待交際費などで指摘されることが多いのですが、経営者個人の支出が会社の経費に入っていないかは、絶対にチェックされるポイントです。
 「個人で負担している(法人で経費にしていない)飲み代・ゴルフ代もあって、それはこういう基準なんです」と説明できれば完璧でしょう。そこまではできなくても、どの取引先と行ったのかくらいは説明できるようにしておきたいものです。


17、税務調査で必ずチェックされる「期ズレ」

決算期前後の取引で、本来決算期に上げていなければならない取引が翌期に計上されていたり、逆に翌期に上げなければいけない取引が決算期に上がっていたりすることを総称して「期ズレ」と言います。

売上や仕入れの期ズレは、税務調査で必ず最初にチェックが入ります。

会計原則には、発生主義と費用収益対応の原則とがあり、
基本的には
「現金収支には関係なく、収益・費用の発生した時点で計上しましょう」
「収益と費用をできる限り因果関係に基づいて把握しましょう」
というルールに則っています。
税務調査の際に、調査官が確認する「期ズレ」は「売上が当期に計上しなければならないのに、翌期に計上されてないか」「仕入れが翌期に計上されなければならないのに、当期に計上されていないか、すなわち在庫や仕掛に計上されているか」です。

売上計上基準は毎期継続しなければダメ売上計上の原則は、
商品やサービスの「引渡しがあった日」や「役務(サービス)の提供の完了した日」となります。
引渡しの場合、「どのタイミングで収益計上するか」という計上基準があり、「出荷基準」「検収基準」「使用利益開始基準」「検針基準」の4つが主な基準です。
毎期継続して運用されていればどの基準でもかまいません。

こんな取引に注意!

1.現金で商品を売ったが、納品日は決算日の後だった。
2.請求書は月初に発行したが、納品は決算月末であった。
3.翌事業年度に完成する工事等に係る費用(外注費など)を支払った。

期ズレは意図的に悪用されるケースもありますが、単純な判断ミスや知識不足で発生する事もままあります。
期ズレが税務調査で見つかると、修正申告や更正が必要になり、余計な手間や税金がかかってしまう事にもなりかねません。経理担当者が何らかの事情によって交代した場合等、注意を怠るとひょっこりと出てきてしまうミスでもありますので、「まずは期ズレのチェック」と初心を忘れないよう、気をつけましょう。


収益・売上はいつ計上するか

商品や製品を販売した場合、あるいは役務(サービス)を提供した場合、その収益(売上)をいつ計上するかという問題は重要です。
たとえば、商品等の資産を 販売する場合、引渡時、資産売買の契約日、代金の決済日が必ずしも同一事業年度になるとは限らないため、どの日をもって収益(売上)を計上するかによって、当期および翌期の収益(売上)が変わり、事業年度の所得金額も変わり、そして税額も変わります。

法人税法では、収益(売上)の計上時期について一般的な規定は設けられておりませんが、その企業にとって妥当な、いわゆる発生主義の原則に基づく実現主義 による収益計上基準であればよいと考えられています。
ただし、いずれの基準でも採用した計上基準を毎期継続して適用しなければなりません。

主な収益(売上)計上基準は以下のとおりです。

(1) 出荷基準
商品等の出荷時に先方に対して引渡しがなされたものとみなす基準であり、倉庫出庫時、船積み時等の出荷時点が考えられる。

(2) 検収基準
取引先が商品等を検収し引取りをしたことをもって、引渡が完了したとする基準である。

(3) 使用収益開始基準
土地、建物等の不動産の販売の場合に、販売先において使用が可能となった日を収益(売上)計上美等する基準である。

(4) 検針基準
ガス、水道、電気等の販売において、検針により販売数量を確認した日を収益(売上)計上日とする基準である。


18、法人税の調査事績分析

1, 大口・悪質・不正計算想定法人

国税庁が平成23 事務年度(7月〜6 月)の法人税・法人消費税・源泉所得税の調査実績を発表しました。
この年度においては、大口・悪質な不正計算が想定される法人など調査必要度が高い法人12 万9千件(前年対比103.1%)について実地調査を実施したようです。この期に調査された法人は「大口・悪質な不正計算が想定される」と見られていた法人です。心当たりがあるでしょうか。

2, 具体的な重点項目とされた4項目法人

具体的な調査対象選択の基準として、
@稼動無申告法人
A海外取引法人
B無所得申告法人
C消費税還付法人 が挙げられています。

@については、6,035 件に対して調査を実施、408 件が意図的無申告でした。
Aについては、15,247 件調査し、非違件数は3,666 件、不正が606 件でした。例年の
ことながら、海外事案は効率が悪いです。
Bは、本来、黒字でありながら赤字を装って申告することにより納税を免れている法人のことで、55,353 件の調査で非違件数は37,789 件で、12,692 件が不正、5,962 件が黒字転換でした。
Cについては、8,539 件の調査で非違件数は4,678 件で、800 件が不正でした。

全体として、見込みを立てて調査したのにも関わらず、法人税の非違があった法人は9万2千件で71.2%でした。見立てが悪いように思われます。その申告漏れ所得金額は、1兆1,749 億円、追徴税額は2,175億円で、前年実績に比し低調でした。

3, 不正発見割合の高い業種と金額の寡多

「バー・クラブ」は不正がバレ易いのか、52.6%で10 年連続、近年25 年間で24 回1
位(唯一2001 年度がワースト2位)という不名誉な記録を持つワースト業種の常連です。以下、前年3位の「廃棄物処理」(33.1%)、これも常連で同2位の「パチンコ」(31.9%)、
同7位の「自動車修理」(31.0%)、同4位の「土木工事」(29.5%)と続きます。
一方、1件あたりの不正脱漏所得金額が大きい業種1位は「パチンコ」、第6位「バー・クラブ」のほかは重複業種はなく、「医薬品」「水運」「鉄鋼製造」「輸入」「自動車部品製造など大手企業を連想させる業種が並び、不正が発覚したら一件だけで巨額になりそうです。

平成23事務年度 法人税等の調査事績の概要

平成24年11月 国税庁

国税庁は、適正かつ公平な課税を実現するため、税金の申告・納付に関して的確な指導を行うとともに、不正に税金の負担を逃れようとする納税者に対しては、さまざまな角度から厳正な調査を実施しています。
平成23事務年度における法人税等の調査については、社会・経済情勢の変化を踏まえつつ、無申告法人事案や海外取引法人事案に重点的に取り組むなど、波及効果の高い調査の実施に努めました。今般、平成23事務年度の法人税、法人消費税、源泉所得税の調査事績がまとまりましたので、その概要を報告します。

T 調査事績の概要

1 平成23事務年度における法人税・法人消費税の調査事績の概要
2 平成23事務年度における源泉所得税の調査事績の概要

U 主要な取組

1 無申告法人に対する取組
2 海外取引法人等に対する取組
3 無所得申告法人に対する取組
4 消費税還付法人に対する取組

V 参考計表

1 平成23事務年度における法人税・法人消費税の調査事績
2 平成23事務年度における法人税・法人消費税の調査事績《調査課所管法人》
3 平成23事務年度における源泉所得税の調査事績
4 平成23事務年度における公益法人等の調査事績・・・・

公益法人(宗教法人、財団・社団法人、社会福祉法人、学校法人、その他)で収益事業を行い申告義務のある法人3 万4、233 件(同101.7%)のうち、1,626件(同102.5%)の法人に調査を行った。申告漏れ所得金額は251 億700 万円(同121.3%)となり、このうち不正脱漏所得金額は33 億8,900 万円(同563.9%)となっており、いずれも対前年比で大幅に増加している。

海外取引等の調査等 移転価格税制はとりまとめ開始以来最多調査件数 海外取引等に係る調査については、調査件数15、247 件(前年対比110.5%)のうち申告漏れ件数は3,666 件(同102.5%)と、ともに前年度を上回った。申告漏れ件数のうち不正計算のあった件数は606 件(同97.4%)、申告漏れ所得金額は2,878 億円(同118.8%)、申告漏れ所得金額のうち不正脱漏所得金額は188 億円(同65.7%)となった。
海外取引等に係る調査のうち、タックスヘイブン対策税制に係る調査と移転価格税制に係る調査状況も公表され、前者については申告漏れ件数及び金額は102 件(同83.6%)、315 億円(同246.1%)という状況であった。後者に係る調査の申告漏れ件数は、とりまとめを開始した平成17 事務年度以来最高となる182 件(同124.7%)で、申告漏れ所得金額は
837 億円(同119.9%)となった。

また、国際源泉所得税の調査では、使用料や給与等などの課税漏れを1、477 件(同109.6%)把握し、42 億円(同107.7%)の追徴課税が行われた。このうち、追徴本税額2、000 万円以上の内訳は使用料が31%と最も高く、次いで給与等30%、利子16%という状況であった。



19、税務調査の裏ワザ

税務調査は通常、1〜2週間前に税務署から事前連絡があります。

税務調査をいつにするのか、日程調整して決めるわけですが、この事前連絡から税務調査の当日までにすべきことがあります。

当初の申告で100の税金を申告していた会社が、税務調査において正しい税金の額が150になったとします。この差額の50を「本税」と呼びます。
 しかし、税務調査で50を支払えば済むわけではありません。
少ない税額で申告していたわけですから、遅れて納付したことに対する利息がつきます。これを「延滞税」と呼びます。延滞税は年率14.6%をベースにして計算されます。
 さらに、です。本税50に対して一定率の罰金が課されます。これを「加算税」と呼んでいます。加算税は、通常10%(過少申告加算税)なのですが、会社が不正行為などをして税金をごまかしていた場合には35%(重加算税)の罰金になります。
 これら「本税+延滞税+加算税」を合計した金額を追徴税額と呼んでおり、これを修正申告した日に納めなければならないのです。

 しかし、これには例外が1つだけあります。それは、「自分で誤りに気付いて、自分で修正申告したら、加算税が課されない」というものです。
 つまり、税務調査で指摘されたから罰金が課されるのであって、自ら誤りを認めたものには罰金を課す必要がない、という趣旨なのです。

 話を戻すと、事前連絡から税務調査の当日までにすべきことは、この例外を利用することです。つまり、税務調査の当日までに、税務申告書を見直して、誤りなどがないかどうかをチェックすることが重要なのです。
 この事前チェックで、もし誤りが見つかっても、税務調査の当日までに自ら修正申告をすれば、罰金である加算税がかからないのです。
 加算税が10%であれば、それほど痛みは感じないかもしれません。しかし、会社内で誰かが不正などをしていた場合、35%もの重加算税がかかってくるのです。さらにです。実は重加算税になる場合、延滞税も高くなるという規定があります。
 税務調査の前に税務申告書を見直しておいて、事前チェックをしておくだけで、最低でも本税の10%、高ければ50%程度の余計な追徴税額を減らすことができるのです。
 この制度は知らない人が多いので、ぜひ活用していただきたいと思います。


下記、参考となる判例・採決事例と事務運営指針です。

@ 更正があるべきことを予知してなされた申告ではないとして過少申告加算税を取り消した事例   

「裁決事例集 No.23 - 15頁」
 国税通則法第65条第3項に規定する「更正があるべきことを予知して」とは、課税庁が当該納税申告書に疑惑を抱き、調査の必要を認めて、現実に納税者に対する質問、帳簿調査等の実地調査又は呼出調査等により当該申告が適正でないことを把握するに至ったことを前提として、納税者が修正申告書を提出する時点で更正のあることを察知していたことを指すものと解すべきであるところ、本件においては、原処分庁の調査担当者が電話で調査日時の取決めをした日後2日を経過して修正申告書の提出があり、更に2日を経過した後に調査があった事実などからみて、請求人は、本件修正申告書を提出する時点で、原処分庁がその調査によって請求人の当初の申告が適正でないことを既に把握していたことを察知していたと認めることはできないから、本件修正申告は、国税通則法第65条第3項に規定する「更正があるべきことを予知して」なされた申告ではない。
昭和57年3月26日裁決


2、「更正があるべきことを予知してされたもの」について国税庁のホームページ事務運営指針にて下記のように記載されております。

(修正申告書の提出が更正があるべきことを予知してされたと認める場合)

通則法第65条第5項の規定を適用する場合において、その事業者に対する臨場調査、その事 業者の取引先に対する反面調査又はその事業者の申告書の内容を検討した上での非違事項の指摘等により、当該事業者が具体的な調査があったことを了知したと認められた後に修正申告書が提出された場合の当該修正申告書は、原則として、同項に規定する「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当する。
(注)  臨場のための日時の連絡を行った段階で修正申告書が提出された場合には、原則として、「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当しない。
参考サイト
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/shozei/010329-2/01.htm


3、裁判例・東京地裁 2012年09月25日(平成23年第253号)
国税通則法65条5項にいう更正の予知と「客観的に相当程度の確実性」

(1) 事案の概要

製造業を営む米国法人の100%日本子会社Aは,増加償却の特例( 法令60 )を適用して平成20年8月期の法人税申告を行ったが,その後,税務調査を受けている最中,同特例の適用要件の一つである本件届出書の提出を失念していたことに気付き(本来は申告書に同届出書を添付して提出しなければならない)修正申告を行った(約10億円の法人税を追加納税)。これに対し国税当局は,本件修正申告書の提出は更正を予知してなされたものであるとして過少申告加算税の賦課決定処分を行い争われた。

(2) 調査開始後の修正申告

会社に臨場しての税務調査が開始された後、会社側が申告の誤りに気付き、即座にその誤りを正す修正申告書を提出した場合は、調査中に非違事項として指摘される可能性があるものとして、「更正があるべきことを予知」した修正申告に該当するとして、過少申告加算税が賦課されてしまうのではないかと、思ってしまいそうです。
しかし、こういう問題をめぐって裁判になった事例があります。

(3) 判決は納税者勝訴で確定

税務署が調査したからといって必ずしも非違事項が判明するとはいえず、判明する恐れがあることを納税者が覚知していたとしても、それだけでは、「更正があるべきことを予知」していたとは言えないため、過少申告加算税は課されない、というのが地裁判決の内容でした。
平成24 年9 月25 日の判決で、国側控訴せず、で納税者勝訴が確定しています。

(4) 「調査」に該当しない『調査』

修正申告に加算税が課されるのは、「調査があったこと・・更正・・予知」という法律の文言から、「調査」が前提となるのですが、加算税事案に於いては、「調査」とは臨場調査の意味で、税務署内での机上調査は「調査」には該当しません。最近発遣された国税通則法個別通達に、税務署からの次のような要請行為は「調査」があったことによる行為には該当しないものと、明記されています。

 @ 要添付書類の自発的添付の要請行為
 A 計算・転記誤り、記載漏れの指摘による修正申告書の自発的提出の要請行為
 B 税法の適用誤り可能性の指摘による修正申告書の自発的提出の要請行為
 C 申告の必要の指摘による無申告者への申告書の自発的提出の要請行為
 D 源泉徴収税額の納付漏れ可能性の指摘による自主納付の要請行為

(5)「調査」は多義的

法人税法に欠損金の繰戻し還付の規定があり、そこには、「調査」することが還付のための必要条件とされていますが、多くの場合、臨場調査のないままの繰戻し還付が実行されています。
ここでは、「調査」は机上調査と解されています。法律上の「調査」の文言は、場合によっ
て使い分けられるもの、多義的なもの、のようです。


参考法令 国税通則法 第65条 (過少申告加算税)
5 第1項の規定は、修正申告書の提出があつた場合において、その提出が、その申告に係る国税についての調査があったことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないときは、適用しない。



税務調査は何月にくるの?

税務署の人事異動は7月1日



税務署は他の官庁とは違い4月1日に人事異動がありません。

3月に確定申告があり事務処理が4月にずれ込むため、7月1日に人事異動となります。


6月と7月は税務調査がありません


7月1日の人事異動のため、6月は1年分の仕事の整理と引継ぎの準備にかかります。


また、6月に調査を開始して6月中に終わらないと7月に人事異動となった場合には、

その引継ぎが大変なので、6月に調査を開始することはありません。


そして7月1日に異動した後は、前任者からの引継ぎと新しい職場での調査計画等で

1カ月は税務調査を開始しません。


8月から12月が調査の本番


各人に調査目標件数が割り当てられますから8割がたは12月までに調査を

終了しておかないと年間目標件数をクリアー出来ません。

12月までに終わらなかった分は翌年に持ち越しになります。


3月は確定申告で忙しい


1月と2月は調査がありますが3月にずれこむ危険がある

日数の掛りそうな調査はありません。特に2月16日から

3月15日の確定申告期間は税理士会からも調査を行わないように

申し入れしておりますので、税理士の署名・押印のある会社に

調査は原則個の期間行いません。


税務署の法人担当も、税務署によっては確定申告の応援に借り出されますので、

この期間は原則税務調査はありません。


4月は件数あわせの調査です


目標件数が足りない場合の件数稼ぎの調査が多くなります。


5月になると3月決算申告で税理士の立会が難しく日程調整がつきにくくなるため、

6月にずれ込まないよう、早く調査を終わらせる事が一般的です。



しかし例外もありますのでご留意下さい。


税務調査の対象企業における選定


税務調査の対象企業における選定は、業種や業績・以前の調査実績など、

様々な要素に基づいているようです。

例えば・・・
△ 以前の税務調査から3年以上経過している

△ 会社の業績に大きな変動があった場合

△ 異常な数値が(外注費・除却損など)計上されている・・・などなど様々です。


税務調査の種類


税務調査は「強制調査」と「任意調査」に分かれますが、一般の中小企業における税務調査は

「任意調査」であり、「強制調査」を受けることはごく稀です。


(1) 適用される法律による区分


@強制調査(犯則(脱税)調査)

強制調査とは、犯則嫌疑者又は参考人の承諾の有無を問わず、国税犯則取締法の規定により、

所管轄署の所在地を管轄する地方裁判所等の裁判官の許可を得て国税査察官が

臨検、捜索、差押許可状の行使を行う犯則(脱税)調査です。


A任意調査 

任意調査とは、法人税法や所得税法の各税法に規定されている質問検査権の

行使により行われる通常の税務調査をいいます。

中小企業における税務調査の多くはAの任意調査です。


通常の税務調査「任意調査」では、申告をした内容が正しいかを否かのチェックが主体であり、

申告した内容に不正がないのであれば心配する必要は御座いません。


しかし、調べられるということに対して、中小企業の経営者は、

非常に大きな心理的なプレッシャーを感じるものです。


(2) 調査形態


@準備調査

納税者から提出された申告書をもとに、申告書の記載内容のチェック、

決算書等の検討や資料せんの照合を行います。


A実地調査

調査官が納税者の本社所在地・支店へ臨場して帳簿書類等をもとに

質問・検査を行うもので税務調査の中心をなすものです。


B現況調査(飲食業・パチンコ店など現金商売の業種)

主として、飲食業、パチンコ等の現金収入業種などを対象として行う

無予告抜き打ち調査をいいます。


C反面調査

納税者の申告内容を裏付けるために、取引先等を確認して調査する事をいいます。


D銀行調査

反面調査のうち、銀行、信用金庫等の金融機関に対して行う

調査(預金、貸付、送金等)をいいます。




税務調査の進め方


 通常は、税務署の職員から調査の1週間から10日前に調査の日程調整の

電話が税理士若しくは会社に電話があります。

会社側にて、税務調査当日は下記書類が必要となりますので、

その前に資料を準備しておく必要があります。


(1)調査当日までに再度確認しておく事項

@直近3年分の帳簿書類の見直し

A契約書・議事録等の再確認

B従業員名簿、タイムカードの確認

C通常の期とことなる取引がある場合は、その取引内容についての確認

Dその他


(2)事前に準備しておく資料

(業種や会社規模によっては準備の必要がないものもあります)


@会社概況、組織図

A申告書及び決算書

B総勘定元帳、手形帳

C領収書、請求書、注文書、納品書、棚卸明細表、工事台帳、作業日報、固定資産台帳

D売買契約書、金銭消費貸借契約書、賃貸借契約書、保険証書

E職員名簿、給与台帳、源泉徴収簿

F預金通帳、借入金返済予定表

G稟議書、取締役会議事録、株主総会議事録

H会社定款、登記簿謄本、税務署提出した各種届出書控





税務調査の流れ


(1) 一般的な税務調査の流れ


@ヒアリングにて会社概況説明(初日の午前中)

税務調査当日は、午前10時に調査官が会社に訪問し、調査官が税理士や社長と

名刺交換等の挨拶を交わし、会社の内容を聞くところからスタートします。


会社の組織、経歴、各部署の仕事内容、社長の経歴、経理処理の流れに、

親族関係などついて徴取し、調査官はメモを取りながら進められます。


(調査官は最初のヒアリングで問題点を見つけ、そこを重点的に調べるようですので

非常に重要な時間となります。税務署の職員の方は、皆さまのイメージと異なり通常は、

高圧的な態度ではなく丁寧な口調で接する担当官が多いです)


A @のヒアリングの後、原始証票の確認と照合

例 ◇ 売上帳と請求書や納品書との照合

   ◇ 仕入帳と請求書や納品書との照合


B決算の数字が異常な内容の検討

例 外注費、支払手数料、特別損失、除却損、廃棄損

(例年と比較して今年は金額が多い場合など)


C決算整理事項の検討

決算期末に振替処理した伝票を基に、その理由を確認、調査、ヒアリングします。


(2)現場確認

飲食業など現金取引が多い業種や売上除外等の不正計算の発見を目的とするためや、

個々の資産の現物確認。簿外資産の現物確認の発見を目的に行います。


(3)手持ち資料との照合

法定資料など調査の際に会社の帳簿書類と照合します。





税務調査のポイント


税務調査のポイントとしは業種毎に様々ありますが、

その一例として下記のような内容があります。


@売上、仕入、外注費の計上時期における期間のズレ

A現金売上の計上漏れ

B棚卸資産の計上ミス

C交際費と福利厚生費、会議費の区分

D消費税の課税・非課税の区分における計算誤り

E役員賞与、架空人件費

F社員旅行を実施した場合の現物給与

G会社が加入している生命保険

H修繕費 資本的支出と修繕費の区分

I試験研究費

J貸倒損失

K源泉所得税の徴収漏れ





税務調査は何年まで遡及されるか


国税の更正、決定について、国税通則法において下記の期間的な制限が設けられています。


法人税の更正・決定等の期間制限

@ 過少申告の更正

・・・・・ 法人税の申告書の提出期限から5年を経過する日まで

A 偽りその他不正行為による過少申告の更正

・・・・・法人生の申告書の提出期限から7年を経過する日まで

B 無申告の決定

・・・・・法人税の申告書の提出期限から5年を経過する日まで

C 欠損金額を増加減少される更正

・・・・・法人生の申告書の提出期限から7年を経過する日まで


通常の税務調査の際は、@もしくはAが適用されます。

但し、中小企業の場合は、実務上直近3年間分の申告書に対しての税務調査が多いようです。





税務調査後の対応


税務調査において申告漏れが明らかになった場合には、

納税者は修正申告を行うことになります。


その場合、追加で本税を支払うことになりますが、

別途罰則として延滞税・過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、

重加算税等の追加の税金を納付する必要が御座います。

(通常は本税+@の延滞税+A過少申告加算税です。ごく稀にDの重加算税)


@延滞税

税金が定められた期限までに納付されない場合には、原則として法定納期限の

翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。


(1) 納期限の翌日から2月を経過する日まで

 原則として年「7.3%」


(2) 納期限の翌日から2月を経過した日以後

 年「14.6%」

 なお、期限後申告書や修正申告書を提出した場合の納期限は、

法定納期限と異なりそれぞれの申告書を提出した日となります。


A過少申告加算税

税務署から指摘されて修正申告をしたり、更正処分をうけたときに課されます。

計算式

(追加納付税額×10%)+(追加納付税額−期限内納付税額と50万円の

いずれか多い金額を超える金額)×5%


B無申告加算税

期限後の申告や、全く申告しなかったため決定処分を受けたときに課されます。

無申告加算税は、原則として、納付すべき税額のうち50万円までは15%、

50万円を超える部分は20%の割合となります。

なお、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、

この無申告加算税が5%に軽減されます


C不納付加算税

源泉徴収した税金を期限内に納めなかったときに課されます。

計算式

源泉徴収して納めるべき税額×10%

但し、税務署から未納決定処分を受ける前に、自主的に納付したときには、5%に軽減されます。


D重加算税

税額計算のもとになる事実を隠したり、仮装したりして脱税したときに課されます。

計算式

・過少申告加算税及び不納付加算税にかえて課せられるとき

追加納付税額(源泉徴収して納めるべき税額)×35%

・無申告加算税にかえてかさられるとき

追加納付税額×40%


事務運営指針によると、法人税の重加算税の取扱いは下記の通りになっております。


(1)いわゆる二重帳簿を作成していること


(2)次に掲げる事実(以下「帳簿書類の隠匿、虚偽記載等」という。)があること。


@帳簿、原始記録、証ひょう書類、貸借対照表、損益計算書、勘定科目内訳明細書、

棚卸表その他決算に関係のある書類を、破棄又は隠匿していること


A帳簿書類の改ざん、帳簿書類への虚偽記載、

相手方との通謀による虚偽の証ひょう書類の作成、帳簿書類の意図的な集計違算

その他の方法により仮装の経理を行っていること


B帳簿書類の作成又は帳簿書類への記録をせず、売上げその他の収入の脱ろう

又は棚卸資産の除外をしていること


(3)特定の損金算入又は税額控除の要件とされる証明書その他の書類を改ざんし、

又は虚偽の申請に基づき当該書類の交付を受けていること。


(4)簿外資産に係る利息収入、賃貸料収入等の果実を計上していないこと。


(5)簿外資金をもって役員賞与その他の費用を支出していること。


(6)同族会社であるにもかかわらず、その判定の基礎となる株主等の所有株式等を架空の者又は

単なる名義人に分割する等により非同族会社としていること。



税務調査について一般的なことを記載しましたが、税務調査は個々の状況によって異なりますので、その際には税理士にご相談することをおすすめします。



横浜の税理士 鈴木税理士事務所
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